エキシマUV照射装置・UV-LED照射装置の開発・製造・販売

エキシマUVランプ

はじめに – エキシマUVランプ照射ユニットが必要になった背景

エレクトロニクス微細加工技術は革新が進みつづけています。これにともない半導体など先端技術の製造工程では、デコンタミネーション、表面処理が不可欠になりました。このためのキーテクノロジーには真空紫外光(VUV)を用いる基板表面のドライ洗浄ないし改質があります。洗浄能力の向上、処理時間の短縮が常に要求されつづけています。この市場ニーズに応えるテクノロジーとしてエキシマUV光が非常に有効な手段として認められ、注目されています。

エキシマUVランプの発光原理

エキシマUVランプは希ガスまたは希ガスハロゲン化合物の放電用ガスを充填した二重石英管と、内部・外部電極から構成されます。
石英管を通して電極間に高周波・高電圧を印加することにより放電用ガスが励起され、その後エキシマ状態となり基底状態へ戻る際に真空紫外光(エキシマ光またはVUV)を発生します。
エキシマ光は準単色で、放電ガスの種類(キセノンXe2、アルゴンAr2など)により波長は異なります。光洗浄改質で代表的に用いられる波長が172nmのエキシマ光の場合、放電ガスにキセノンを用います。
以上の反応段階を次の式に示します。

e + Xe → Xe*
Xe* + 2Xe → Xe2* + Xe
Xe2* → Xe + Xe + hν(172nm)

エキシマUVランプの特長

エキシマUVランプとは、従来の放電灯(水銀ランプやキセノンランプ等)と異なる発光原理、構造で、真空紫外光を照射できる光源です。
以下のような優れた特長がエキシマUVランプにはあります。

  • 特長1 準単色光
    準単色光を発生するため、エネルギー変換効率が良い。他の放電灯のようにドライ洗浄改質等には不要な可視光、赤外光が比較的少なく、ワークに対して熱によるダメージを与えません。従って、低温過程で表面処理が可能になりました。
  • 特長2 波長172 nmのエキシマ光を発光
    エキシマUVランプでは従来の光洗浄改質で用いられてきた水銀ランプ(波長185nmと254nm)に比べるとフォトンエネルギーが高い、波長172nmの真空紫外光(VUV)を発生します。
    ここで光による有機物の除去について触れると、有機物の除去には次の各要素が必要です。

    1. 有機物の分子結合エネルギーより高くこの結合を切断できるフォトンエネルギー
    2. 有機物を揮発させることによる除去するには、活性化酸素が不可欠。この発生量はフォトンエネルギーに依存します。この際172 nmは695.77 KJ/molという高エネルギーを持ち、有機物の除去に非常に有効です。
  • 特長3 瞬時点灯点滅
    以上で記述したエキシマ光発光原理により瞬時の点灯点滅ができ、この際エキシマUVランプにダメージを与えません。この特性を利用することによりドライ洗浄にて、ワーク搬送時、ワークだけに照射できると同時に、実際のランプ寿命は連続点灯に比べて長くなりました。

エキシマUVランプの構造

エキシマUVランプは二重構造のクォーツガラス管であり、内側には内部電極、外側に外部電極があります。クォーツガラスの管内には、放電ガスであるキセノンガスが充填されています。RF電源からの電圧印加により、発熱を極めて少なくかつ効率的にクォーツガラスチューブの間に放電プラズマを発生させるしくみです。

エキシマUVランプを用いる表面改質

短波長の紫外線、たとえばEUV、DUV、エキシマUVランプによるVUVは各種素材の表面特性を変化させます。例えば、無機物ではガラス、金属、セラミックがワークであり、有機物ワークには、ゴム、プラスチックなどの表面改質に適します。特に疎水性の表面を親水性に変えることが挙げられます。
エネルギーレベルの高い短波長紫外線をワーク表面に照射すると、短波長エネルギーにより表面分子の主鎖や側鎖の大部分が切断され、表面からは素材に含まれる水素原子が分離されて大気中の酸素から紫外光により生成された活性酸素と結合反応してアシル基(COH)、ヒドロキシル基(OH)、カルボキシル基(COOH)などが各表面に形成されて、接着剤や塗料等の被着が困難であったコーティング材も中間基との化学結合効率が一段と改善されます。
また、改質と同時に各種素材の表面に残留する有機物のコンタミや素材自体から滲み出る油分をVUVエネルギーと活性酸素により酸化洗浄できます(デコンタミネーション)。従来多くの素材の接着強度および濡れ性向上など実験データが実証しています。

紫外線洗浄

エキシマUVランプによる短波長の紫外線から照射されるエネルギーは非常に高いレベルでほとんどの分子結合を切断するフォトンエネルギーをもちます。この真空紫外線を素材表面に照射すると、通常のウェット洗浄では得られない有機物除去効果があります。コンタミネーション有機物が次の式に示す反応をおこすことで、効率よく有機系薄膜上の有機物を酸化、揮発させることで除去します。

O2 → O + O
O + O2 → O3
CH + hν(172nm) + O + O → COOH